社会人野球日本一を決める日本選手権が25日、京セラドーム大阪で開幕した。2大会ぶり25度目の出場となるヤマハ(東海・静岡)は、28日の1回戦でJR四国(四国・香川)と対戦。チームは、投手陣の粘り強い投球で9月の東海地区最終予選を突破。同予選で全試合スタメンマスクをかぶり、投手陣をリードした東隆志捕手(26)が、本大会での鍵を握りそうだ。

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ヤマハの東は、2年ぶりの本大会出場権を勝ち取った予選を振り返り「全体的には、勝ちにつながる良いリードができたと思う。キャッチングも練習の成果を出せて、投手を安心させられた」と話した。

昨年は正捕手として1年間を過ごしたが、都市対抗、日本選手権ともに出場権を逃し「捕手で負けたと言われ、危機感を持ちました」。雪辱を期した今年5月の都市対抗予選では、直前の大会で負った左手有鉤(ゆうこう)骨骨折の影響で不出場。復帰直後の本大会でも1試合の途中出場だけで、不完全燃焼だった。

元々、リード面で不安を抱えていたという。だが、捕手としてヤマハで11年間プレーし、昨年7月に就任した松尾知之野手コーチ(41)の教えを受けたことが、転機になった。配球面の基本的な考え方などを伝えられ、「勝っても負けても、試合後にしっかりと振り返りをできるようになった」と好感触。松尾コーチから「試合後のミーティングでの発言が具体的になってきた」とほめられた。

「この1、2年で、自信を持って臨めるようになってきた」と自己評価。本番では、予選と同じように、投手を中心としたロースコアの勝負が予想される。「チームを勝たせるリードをしたい。その上で、自分が成長した姿を多くの人に見せたい」と声を弾ませた。【河合萌彦】

◆東隆志(ひがし・りゅうじ)1993年(平5)1月30日、広島県生まれ。高陽東高(広島)では、1年時から4番捕手。プロからも注目されたが、甲子園出場はなし。卒業後は中大に進学し、3年秋から正捕手。15年春にヤマハへ加入。同期に池田駿(現巨人)鈴木博志(現中日)ら。右投げ右打ち。180センチ、91キロ。