中日大野雄大投手(31)が、来春キャンプで「大野塾」を開講する。今季ノーヒットノーランを達成し、初の最優秀防御率賞を獲得。完全復活を果たした左腕が、投手陣の兄貴分として、若手のけん引役にも手を上げた。「聞きにくいかもしれない。いつでも何でも聞きにきて。断ることはないですよ」と門戸を開放する。

すでにドラフト2位の大商大・橋本侑樹投手(21)が弟子入り志願。大野雄がノーノーを決めた翌9月15日に関西6大学リーグで同じ偉業を打ち立てた。「マウンドでの考え方、気持ちを聞いてみたい」。同じ左腕の新人からラブコールを受けており、入塾は確実だ。

今季の大野雄はまさにチームの柱だった。昨季は未勝利に終わったが、一気に9勝を挙げた。投球回もリーグトップの177回2/3。年俸も4年ぶりの大台突破となる1億3000万円に上がった。契約更改後の会見では報道陣に名古屋の中華料理店「ピカイチ」のラーメンを振る舞うと太っ腹発言も飛び出した。苦境を乗り越え、心身ともに充実している。ベテラン左腕は、自ら培った知識と経験を若手に惜しみなく披露し、戦力の底上げに一役買う。【伊東大介】