「代打男」として強い阪急を支えた高井保弘さんが今月13日に亡くなった。74歳だった。現役最後の代打本塁打は81年9月3日、西武永射から放ったサヨナラ本塁打になる。通算27本。38年を経た今も歴代1位にランクされる。球史に残る「大(代?)打者」の1人といえよう。

27本中19本が7回以降に飛びだした。逆転サヨナラ1、サヨナラ2、逆転2、勝ち越し2、同点は5本もあった。「肩書」つきの本塁打が12本。不利な展開をひと振りで変えた。高井に代打本塁打が出た試合は、17勝10敗と高い勝率を残している。

早いカウントから、積極的に打ちに出た。初球打ち4本を含め、3球目以内の本塁打が16本もあった。投手のクセ、配球を読むことで確率を高めたという。クセのある相手? を手玉に取った裏に、きちょうめんにメモした帳面があった。

現役時代は173センチ、90キロだった。愛称「ブーちゃん」。75年に指名打者制が採用されると、その役割も任された。それでも、代打の価値を高めたのは、この人だろう。高井保弘にとって代われる「代打」は、いまだに現れない。【米谷輝昭】