高卒新人が初めてのキャンプで悲喜こもごもの3日目を迎えた。ロッテ1位の佐々木朗希投手(18=大船渡)は緊張の連続に「疲れてます」を3連発した。

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佐々木朗は質問にかぶせ気味に答えた。「疲れてます」。5分ほどの短い会見で3回口にした。日焼けのせいもあるだろうが、顔は紅潮し、疲れの色もにじむ。「プレーの質を上げるために走るので、苦しいですけど頑張ります」。3日目となったランニングではダッシュで先頭を走る気概を見せ、全力で取り組んでいる。

午後9時30分に就寝し、翌朝午前5時半~6時に起床。約8時間の睡眠を確保しているが、プロの、それも1軍の練習で疲れは抜けない。井口監督もチーム全体として「第1クールの3日目は一番体がきつい時」と言うように、故障が心配な時期だ。佐々木朗の体調を把握しているため、バント処理の守備練習はなくなった。代わりに主力投手陣の投内連係を、川越投手コーチからサインと野手の動きだしのタイミングを聞きながら見学した。

前日は逆傾斜の投球練習をしたが、この日はなし。吉井投手コーチが佐々木朗と同期の横山を別室に呼び、約30分の座学。常に視線にさらされる佐々木朗のメンタルを配慮し、息抜きの意味合いもあったようだ。

疲れてはいるが、第1クールの完走は視野に入ってきた。「キャッチボールは楽しいです」。疲労はあっても投球への渇望は日増しに大きくなっている。プロで通用する体作りが当面の課題。故障なくメニューを消化し、必死でプロに食らい付いている。【井上真】