プロ野球各球団が、練習の強度をどんどん上げてきた。チーム構想も具体的に。「6・19開幕」がクッキリと視野に入った。

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開幕に向けてカウントダウン態勢が整いつつある中、原辰徳監督はレギュラー捕手に大城を抜てきする可能性を示した。強打が売りの3年目。昨季の先発マスクは小林68試合、炭谷41試合に次ぐ30試合だった。「大きく伸びてきているのは大城。守備力も打撃も含め。しかし経験値という点では一番足りてない」とさらに成長する魅力を感じている。

本来3月20日だった開幕戦に合わせて、オープン戦最後の本拠地3連戦はすべて大城が先発した。エース菅野とのコンビも2試合テスト。開幕延期後の練習試合4試合では4割5分5厘、2本塁打をマークした。指揮官は「小林も守備力、あるいは信頼は非常に強い。(炭谷)銀ちゃんは経験値を含め、人間力もチームに浸透している。ただ飛び抜けて成長できる可能性を持っているという点は、今年は大城。競争ですから、分かりません」と続けた。

昨季は捕手併用制でセ・リーグを制した。遊撃坂本、三塁岡本、外野は丸、パーラ、亀井が健在で、レギュラー不在は捕手、一塁、二塁。一塁は2年目山下が右手有鈎(ゆうこう)骨鈎骨折で離脱し、オープン戦4本塁打の中島がリードする。原監督は「ただ本当の意味でのジャイアンツでの信頼にはまだ足りてません」と指摘。陽岱鋼、亀井、北村の名前を挙げ「非常に厳しいポジション」と競争を促した。

二塁手は本命吉川尚に対して「『無事これ名馬』というのも実力のうち」と昨季腰痛で11試合の出場にとどまった課題を挙げた。虎視眈々(たんたん)と狙う選手は大歓迎。「しっかり凝視しながら、セレクトしていきたい」。競争によるさらなるチーム力向上を求めている。【前田祐輔】