神宮で神隠し? が起きた。巨人重信慎之介外野手がまか不思議の“マジック”を引き起こした。

2点差に迫った7回無死、ヤクルト梅野雄吾投手の直球を捉え右翼フェンス際へライナーで運んだ。右翼手山崎晃大朗もフェンスにぶつかりながらジャンプするも、捕球できず。だが、グラウンドにボールは跳ね返っていない。ダイレクトでスタンドに入ったわけでもない。消えた。

球場は一時騒然となった。審判が右翼へ向かうと、重信の“タネ”が明かされた。「フェンスを突き破りスタンドの方に入りました」。打球はフェンス上部の防球ネットを突き抜けていた。エンタイトル二塁打となった重信は「ボールが消えたので、捕られたと思いました。が、いい方向で消えてくれた」と驚いた。

重信と神宮が絡めば何かが起きる。1死三塁から、坂本勇人内野手の浅い犠飛に好走塁で生還。丸佳浩外野手がバックスクリーンに5号同点ソロを放り込み「あきらめずに、粘れたのはチームとしても大きい」。重信は6月26日のヤクルト戦で、逆転の2ランを放つなど、今季ここまで神宮では4打数2安打。昨季も打率4割1分7厘を記録した。早大時代に慣れ親しんだ球場との相性は抜群。一時5点のリードを許していたが、“神隠し打”で流れを変え、引き分けに持ち込んだ。【久永壮真】