西武が松坂大輔投手(40)と来季契約更新する方針を固めたことが1日、分かった。松坂は06年以来14年ぶりに西武復帰した今季、1軍登板がないままシーズンを終えることが決定的となっている。シーズン中に右腕のしびれを発症し、7月に「脊椎内視鏡頸椎(けいつい)手術」を受けた影響もあり、登板機会はなかった。球団は日米通算170勝右腕の怪物が、復調すれば来季の戦力になると判断し、プロ23年目を用意する。

球団関係者の話によると、来季の復活登板を目指しリハビリを続けているという。春季キャンプでは順調に調整を続け、3月のオープン戦では先発もこなした。当初の日程では開幕ローテーション入りが“内定”していた。打たせて取る投球スタイルで、18年には中日で6勝挙げており、コンディションさえ万全に整えば、西武で復活できる可能性は十分ある。

松坂世代といわれる同世代を励みにしている。ソフトバンク和田が8勝を挙げ活躍する姿に刺激を受けていた。その一方で、8月には阪神藤川の今季限りでの引退が発表された。その際には、コンディション不良で2軍調整中だった藤川を気遣い「球児が今シーズン中に復帰しようとリハビリしている段階で、コメントするのは控えさせて下さい」と、自身同様に復活を期す盟友に“無言”のエールを送っていた。

今オフは、リハビリが続く見込みだが、現役続行へ支障はないとみられる。お預けとなった西武のユニホームを着て復活白星を挙げる姿を、来季こそファンへ届ける。

◆松坂大輔(まつざか・だいすけ)1980年(昭55)9月13日生まれ。東京都出身。横浜高で98年の甲子園春夏連覇。同年ドラフト1位で西武入団。1年目の99年に16勝で新人王に輝き、同年から3年連続最多勝。07年にレッドソックスに移籍し、同年世界一。インディアンス、メッツを経て15年ソフトバンク入団。18年中日に移籍し、今年は14年ぶりに古巣西武に復帰。主な表彰は最優秀防御率2度、最多奪三振4度、沢村賞。00年シドニー五輪、04年アテネ五輪、06、09年WBC日本代表。182センチ、92キロ。右投げ右打ち。