巨人から戦力外通告を受けた吉川大幾内野手(28)は、感謝の思いを胸に合同トライアウトでのアピールを誓った。両親、兄、妻、2歳の長男らが訪れる予定で「感謝の気持ちを持って、全力でプレーします。息子が分かるまでやりたいですし、このままでは終われない。倒れるくらい、力を出しきりたいです」と決意を示した。

「感謝」は11日前に交わした妻との約束でもある。ソフトバンクの日本一が決まった夜、球団から戦力外を通告された。翌11月26日の朝。妻から1通のLINE(ライン)が届いた。

「今日は感謝を込めた1日にしてね」

みやざきフェニックス・リーグに参加中で、練習前に「最後1日、お願いします」とあいさつした。阿部2軍監督に出場を志願。同リーグ中日戦に「1番二塁」でスタメン出場した。

「手伝うことはないですか?」。試合後、村田2軍野手総合コーチに聞き、特打の打撃投手を頼まれた。ルーキー菊田、育成の八百板を相手に約20分間、ボールを投げ込んだ。「きつかったです。裏方さんの大変さを実感したし、感謝の思いでいっぱいだった」。

14年に中日から戦力外通告を受けたが、15年から6年間プレーした巨人では、ユーティリティープレーヤーで重宝された。代走、守備固めを中心に献身的なプレーでチームを支え、試合前の円陣の声出しは「日本一の円陣芸」と称された。

宮崎を離れる11月27日の朝、宿舎のロビーで阿部2軍監督にスーツ姿であいさつした。「頑張れよ」。力強く手を握られた。「僕にとってラストチャンス。野球選手である以上は、結果で恩返ししたいです」。勝負をかける。【久保賢吾】