三菱自動車倉敷オーシャンズの剛腕が、今季公式戦初戦で存在感を見せつけた。

5-4の7回2死一、二塁、3番手でマウンドに上がったのは、広畑敦也投手(23=帝京大)だ。昨年の都市対抗新人賞の最速154キロ右腕。一打同点、逆転のピンチでも「試合前から、そういう場面でいくと言われてました」と、気持ちの準備はできていた。

左打ちの6番打者に対し、2球続けた真っすぐが外れ、カウント2-0。相手ベンチからは「100%、真っすぐ」と声が飛ぶ。それでも、動じなかった。3球目も直球を選んだ。151キロで詰まらせ、左飛でピンチを脱した。

ある意味、狙い通りだった。「カウント2-0からでも抑えられる直球を投げる。相手も直球を狙ってくる分、力を入れて、フライになればいい」と意図を明かした。9回には、この日最速となる153キロを記録。2回1/3、1安打無失点、3奪三振で試合を締めた。

社会人2年目でドラフトイヤーを迎えた。ネット裏には、7球団11人のスカウトが集まった。西武潮崎編成グループディレクターは「真っすぐに一番自信があるのでしょう。スピードは、もっと上がってくると思う。(ドラフト)上位候補と言っていい」と評価した。