強烈なクリーンアップアピール弾が飛び出した。日本ハム野村佑希内野手(20)が10日、DeNAとのオープン戦(横浜)で2戦連発となるスコアボード直撃の3号ソロを放った。2回には先制中前適時打、6回にも左前適時打を放って4打数3安打3打点。3本塁打は12球団単独トップに浮上。2年連続の開幕スタメンを主軸で迎えるため、伸び盛りの長距離砲がアピールを続ける。

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穏やかな春の陽気を勢いよく切り裂いた。野村の打球は強烈だった。「打った方向が良く、打球もしっかり伸びてくれた」。4回2死。カウント3-1から145キロ直球を完璧に捉えた。中堅方向へグングン伸びた打球は、「ガツン」という衝撃音とともにスコアボード右下部を直撃。2試合連続となるオープン戦3号ソロに「いい手応えだった」と納得した。

打順は9日の3番から7番に下がったが、開幕戦のクリーンアップ入りを猛アピールした。2回1死二塁ではファーストストライクを捉えて先制中前適時打。6回も9日に三振を喫した内角高め直球を冷静に見極め、DeNA国吉の低めフォークをはじき返した。「走者がいる場面で打てなかったりすると(クリーンアップは)打たせてもらえる打順じゃないので。そういうところを上げて、なんとかクリーンアップに入っていけるようにしたい」。確かな目標を掲げて、勝負強さを発揮した。

4打数3安打3打点。オープン戦3本塁打は12球団単独トップだ。「昨日の反省点をしっかり生かせて、ちゃんと打つべき球をしっかり自分の中で選べた」と、日々成長を続けている。

「キャンプ中も、めちゃくちゃいい日はなかった」と、当初は不調を自覚も、野球に向き合う気持ちは折れなかった。「その日、その日で自分の中での課題をクリアしながらやっていたので、大崩れせずにここまで来ていると思う」。スイングに力が増し、ボールに効率よく伝える技術も向上したのは、練習の成果の一端。昨季よりも逆方向への飛距離が増した。

9日の2号ソロを「(広い)札幌ドームでは入らない」と断じていた栗山監督も、この日の驚弾には「安心させてたまるかと思って高橋信二コーチに『札幌ドームなら入っていないよね? 』と聞いたら、信二も『監督、それは通用しない』と言われちゃった。オレも入っていると思った」と認めざるを得なかった。野村は「これを続けていけるように」と表情を引き締めた。慢心せず、開幕へ突き進む。【木下大輔】