「メガゴジラ」がついに、目を覚ました。

巨人ドラフト5位の秋広優人内野手(18=二松学舎大付)が中日とのオープン戦(バンテリンドーム)で15打席ぶりの安打を放った。

1点を追う6回1死に代打で出場。鈴木の初球147キロの直球を捉え、遊撃手の右横をゴロで破った。「まだ1本だけ。もっと結果を出し続けないと1軍に残れない。練習して努力してやっていきます」と引き締めた。

「プロの壁」にもがきながら、よじ登った。直前まで四死球を除き7打席連続三振。グラウンドに立てば「18歳」は言い訳にならない。「打てないだけではなく、三振がずっと続いていた。ここまで続いたことがなかったので、すごく苦しんだ」と、未体験の精神的疲労に襲われた。

指導の恩を即、結果で返した。15日には「打撃デー」としてチームで打ち込みを敢行。後藤野手チーフコーチと村田野手総合コーチから助言をもらった。この日は他の選手がウオーミングアップをする中、ブルペンで原監督からマンツーマン指導。以前から教わる、ポイントまでのバットの出し方を再確認して試合に臨み「アドバイスのおかげで、今日は安打が打てたので良かった」とうなずいた。

93年に松井秀喜がオープン戦で記録した5安打に並んだ。原監督は「たまには打つよ。並じゃないんだから」とほおを緩めると「全てがチャンス。失うものはないわけだからさ」と背中を押した。15打席の“冬眠”を終えた「メガゴジラ」は「初球から振っていくのは持ち味。それをやれたのは本当にいいこと」。開幕まで4試合。球団の高卒新人では59年の王貞治以来となる開幕スタメンを目指し、猛進する。【久永壮真】

▽巨人松原(1番打者として2安打も、初回の3球三振を猛省)「アピールはできたんですけど、1打席目ですね。先攻の1番バッターだったので本当に反省点。1番、2番と簡単に2アウトにならないようにやっていきたい」