ソフトバンク和田毅投手(40)が「日本生命セ・パ交流戦」の阪神戦に先発し7回無失点で4勝目を挙げた。甲子園での公式戦登板は14年ぶりで、セ界の首位を単打4本のみに抑えて8三振を奪った。交流戦通算26勝として元同僚の杉内(巨人)の最多に並び、NPB通算142勝でも並んだ。チームは連勝で交流戦2度目のカード勝ち越しを決めた。

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40歳の“野球少年”が聖地で躍動した。和田が07年以来となる甲子園で快投した。今季最長の7回を投げきり、無失点で4勝目。「カーブの制球も良かった。すべてがうまくはまった感じ」。緩急を巧みに使った貫禄の投球でセ・リーグ首位の阪神を抑え込んだ。

初回2死、マルテを追い込んでから2球続けて際どいコースがボールになった。それでも、笑みをこぼす余裕を見せながら、フルカウントから右飛に打ち取った。注目のルーキー佐藤輝には「新人というくくりには入れられないような、すごい打者」と警戒していたが、3度の対戦でいずれも変化球を決め球に空振り三振。「(甲斐)拓也のリード、プラン通り。うまく裏をかくことができた」と、プロ19年目の熟練の技でねじ伏せた。

島根・浜田高では2、3年の夏に甲子園出場。23年の月日がたっても「この場所で投げるのはすごくいいものだなと思いました。14年前はナイターだったので。お客さんが入って、デーゲームは高校3年生以来かな」と沸き立つ思いは変わらない。マウンドで味方の好プレーに笑い、2年ぶりに立った打席でも内野ゴロで一塁まで懸命にダッシュし、アウトになってちょっぴり照れた。高校生に戻ったような表情ではつらつとプレーした。

これで交流戦は最多タイの通算26勝。NPB通算の142勝も、ホークスで苦楽をともにした同学年の杉内(現巨人コーチ)の数字に並んだ。「まだ僕は現役でやっている。向こうはもう増やせないのでね。比較するものではないと思うけど、1つの節目かな、と思うのでうれしいです」。次回は中6日で13日ヤクルト戦に向かう見込み。「(交流戦で)もう1試合投げる機会があると思うので、チャンスはある。チャレンジしていきたい」。勢いのままに盟友超えを決める。【山本大地】

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