大谷翔平以来の剛速球に札幌ドームがどよめいた。阪神の守護神ロベルト・スアレス投手(30)が球団最速となる163キロをマークした。驚きの場面は1点リードの9回1死で対戦した3番近藤の打席だった。カウント2-1からの4球目。ファウルとなった内角球が、自己最速を1キロ更新。日本プロ野球の球界最速は165キロ大谷(日本ハム)だが、163キロは歴代3番目の最速記録だ。

この試合では7回に登板した藤浪がファウルされたボールで168キロを計測。またも誤表示かと思われたが、スアレスは直後の5球目に低め直球で162キロを計測。見逃し三振を奪った。9回の登板直後から150キロ台後半を計測。163キロが“本物”と誰もが納得する剛球連発だった。

ゲームセットまで表情を崩すことはなかった。2死から高浜に右前打を浴びたが、最後は11球粘った5番王柏融を160キロで左飛。リーグトップの18セーブ目を挙げて試合を締めくくった。それでもスアレスは「自分だけじゃなくて、みんながいい仕事をしたと思っている」と淡々。1点差のしびれる場面での登場だったが、いつも通りに試合を完結させた。

圧倒する投球が続く。今季は26試合に登板して計26イニングで2失点(自責1)。防御率は驚異の0・35だ。スアレスは「この勝利をきっかけにどんどん、どんどん勝ち続けるようにチーム一丸でやっていきたいなと思います」と最後までフォア・ザ・チームを強調した。これほど頼もしい守護神は他にはいない。【桝井聡】

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