阪神藤浪晋太郎投手(27)が今季初の160キロをたたき出し、圧巻の完全投球で勝利をたぐり寄せた。リードが2点に広がった直後の8回裏にマウンドへ。「追加点を取ってくれたので、少しだけ気持ちにゆとりを持って投げることができました」。1イニングを2奪三振で3人斬りだ。

全く付け入るスキを与えなかった。先頭の代打平沼は初球に外角159キロで見逃しを奪った後、146キロスプリットで空振りに仕留める。1番浅間は内角にズバッと156キロを投げ込んで見逃し三振。2番西川への初球に160キロの外角ストライクを決めると、最後は低め156キロで二ゴロに打ち取った。

打者3人に対して3ボールは1度もなし。文句のつけようがない投球内容に、矢野監督も納得顔だ。「晋太郎は内容も良かった。そういうところでは(岩崎)優が今いない状態で、誰でも出てきてほしいところで、晋太郎がピシャッと行ってくれたのは大きい」。

「8回の男」岩崎がいない状況で4日に緊急昇格してから、中継ぎで3戦連続無失点。たった1週間でセットアッパーの軸となりつつある。【佐井陽介】