苦手大野雄を打った! 苦手バンテリンドームで勝った! 阪神佐藤輝明内野手(22)が、先制口火の特大二塁打で連敗ストップに貢献した。0-0の2回1死。あと数センチで本塁打の一撃を左翼へ放って糸原&梅野の適時打2本を呼び、対大野雄にバンテリンドームで8年ぶりに黒星をつけた。22日は母晶子さんの49回目の誕生日。父博信さんの54回目の誕生日だった4月25日のDeNA戦でも6号2ランを放っており、最高の両親孝行を決めた。

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あと数センチで、母晶子さんの49歳を祝うバースデーアーチだった。0-0の2回1死。佐藤輝が大野雄の148キロ直球を左中間へはじき返した。「入ってくれと思いながら走っていましたけど、(広い)バンテリンドームなので仕方ない」。矢野監督もリクエストを要求したが、打球は高さ4・8メートルの青いフェンスの最上部に当たってグラウンドへ戻り二塁打に。「先制につながってよかった」。特大二塁打で勢いづいた打線は、続くサンズが四球を選び、7番糸原、8番梅野の連続適時打で2点を先制。そのまま逃げ切り、連敗を2で止めた。

バンテリンドームでの対大野雄の連敗も7で止めた。前回名古屋で左腕に勝ったのは13年8月23日。佐藤輝は兵庫・西宮市の甲陵中3年生だった。柔道86キロ級で講道館杯を優勝した父博信さん(54)だけでなく、身長168・9センチの母晶子さんも「背の大きさは譲れたかな」と話すように、両親から柔らかく強靱(きょうじん)なボディーを授かった。栄養も愛情もたっぷりの食事で187センチ、94キロに成長。大野雄には4月27日の対戦でも1発を放っており、対戦打率4割のキラーに進化した。

父の誕生日だった4月25日のDeNA戦に続くバースデー弾はならなかったが、またも勝利をプレゼント。晶子さんには試合後、佐藤輝から「おめでとう。これからも元気でいてください」とお祝いのLINE(ライン)が入ったという。「テレビで見ていました。惜しかった。バンテリンドームでなければ。でも大野投手からあそこまで打って、得点にもつながりましたし」と白星貢献を喜んだ。

好調を支える要因に母の手料理も欠かせない。コロナ禍でなかなか会えないが「スジ煮込みとか煮卵とか日持ちするものを」と虎風荘に差し入れしている。晶子さんは「疲れも慣れない部分もあると思いますが、ケガなく最後まで頑張ってほしいです」と日々息子の健康を願ってやまない。

9回にも右前打を放ち、2戦連続、21度目のマルチ安打。矢野監督も「最後に1人出るか出ないかですごく違うので、あの1本も大きかった」とほめた。昨季3勝9敗と苦しんだバンテリンドームで景気づけの白星をゲットし、再び貯金20。輝のバットが鬼門粉砕の連勝を導く。【石橋隆雄】

 

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