ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、リーグ独走の22号2ランでチームを4連勝に導き、単独2位に浮上させた。1点リードの3回2死一塁。広島高橋昂の直球を左翼席にたたき込んだ。23日の広島戦では右膝付近に自打球が直撃し、4回の守備から途中交代。検査を受け、骨に異常なしと診断されたが、一夜明けの1発で全快をアピールした。チームは貯金を18年10月8日以来、3年ぶりの2ケタとなる今季最多の10とした。

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あざが残る右足をグッと踏み込み、村上は逆方向にボールをはじき返した。1点リードの3回2死一塁。「うまく押し込めたと思います」と広島高橋昂の外寄りの145キロの直球を強振し、リーグ独走の22号2ランを放った。チームを4連勝に導き、貯金は3年ぶりの2ケタとなる今季最多の10。本塁打王争いで2位の巨人岡本和、阪神佐藤輝に3本差をつけた。

日本の主砲らしく、“一発回答”で不安を一掃した。23日の広島戦で右膝付近に自打球が直撃。打席には立ったが、4回の守備で交代した。同日に検査を受け、骨に異常なしと診断されたが、試合後は少し引きずりながら、バスに乗車。この日の出場について、高津監督は「明日の状態次第だと思います」と説明したが、何事もなかったかのように放物線を描いた。

野球史に残る鉄人を生んだ地で、“鉄人魂”を体現した。広島は「鉄人」と称され、プロ野球の連続試合出場記録を持つ衣笠祥雄がプレーした“鉄人の聖地”。村上は前夜の試合後、アイシング治療を受け、この日の起床時に「痛くなかったんで、いけると思った」と出場を決意。「全然、大丈夫です」と繰り返した言葉通りに結果で回復を証明した。

前夜、視察に訪れた東京五輪代表の稲葉監督も安心させた。この日、実戦復帰した広島鈴木誠らとともに「4番を打てる選手は何人かいますので、つなぎの4番にするのか、長打、大事なところで結果を出す4番にするのか、調子を見ながら決めていきたいと思います」とサムライジャパンの4番候補の1人に挙がる。6月8発と量産する村上の存在感は、日増しに大きくなりそうだ。【久保賢吾】

ヤクルト高津監督(負傷交代した一夜明けで1発を放った村上に)「出られるなら、(スタメンで)使おうと思った。多少の痛みはあるかもしれないですけど、チームの中心で引っ張っていくような選手になっていくならば精神的な強さであったり、痛みに対する強さであったりが必要だと思います」

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