“銀ちゃん問題”何とかしてください! 巨人から金銭トレードで移籍した楽天炭谷銀仁朗捕手(33)が加入後5試合目で移籍後1号となる2号3ランを放った。3点リードの8回に守備から途中出場。ダメ押し弾を本拠地楽天生命パークで、古巣西武から打ち込んだ。新天地で同学年の銀次との愛称がかぶる問題が発生。あいさつ代わりの1発で解決も狙う。チームは2位浮上。首位オリックスに2ゲーム差と詰め寄った。

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“ミズノ”呼吸-。8回1死二、三塁。炭谷がミズノのバットで、佐々木の初球、真ん中直球を捉えた。「感触はバッチリ。フライが上がった瞬間『よっしゃ』と思いましたね」。雨中を切り裂き、左中間席へ3ラン。ユニホームを変えての今季2発目も再び13年を過ごした西武から飛び出した。鬼を振り払った主人公を新たな仲間たちが出迎えてくれた。「いやー、うれしかったですよ」。シンプルな言葉で、こみ上げる感情を表した。

ひとつ、悩みがある。ロッカールームで後輩から「銀さん!」と声をかけられ振り向くと、同学年で生え抜きの銀次も振り向いた。「僕も『銀ちゃん』しか今まで言われたことがないので…。後輩たちも困っています」。突如勃発した“銀ちゃん問題”。「募集というか、何かあれば…」と頭を悩ませる。

5日に入団会見を行い、新天地合流からわずか1週間。「まだ探り探りですね」と話すも石井GM兼監督をはじめ、岸、牧田、涌井、浅村ら西武時代からの顔なじみのアシストもあり、チームにとけ込む。「西武、ジャイアンツと経験して今回が3球団目ですけど、また若い選手も野手には多いですし、すごくいい雰囲気があります」。マスクをかぶれば、身ぶり手ぶり。マスクを脱いでも投手へ寄り添い、言葉で考え、思いを伝える。成長途上のチームにとって百戦錬磨の知恵と経験は、何ものにも代え難い。

日輪刀ならぬ、バットでつかんだお立ち台。マイクを握り「銀次がいるので『銀ちゃん』とは呼びづらいかもしれないですけど、これからよろしくお願いします」とファンへ“銀ちゃん問題”解決を呼びかけた。新天地でも柱に-。新愛称に“炭仁朗”(たんじろう)はいかがでしょうか? 【桑原幹久】

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