阪神佐藤輝明内野手(22)が、夏の甲子園に挑む高校球児へエールを送った。

台風9号の接近により1日順延し、10日に全国高校野球選手権大会が開幕する。昨年は新型コロナの影響で中止。高校野球を経験した1人として懸命なプレーを願った。

「コロナで大変な時期。その中でもやれることをやって甲子園出場を手に入れたと思う。夢の舞台でしっかり楽しんで、甲子園で野球ができるんだってことをかみしめながら頑張ってもらえれば」

兵庫・仁川学院時代には甲子園出場はおろか、3年夏は初戦でコールド負け。同校から直線距離で約6キロ、車で20分弱の聖地は近くて遠かった。ただ、そんな3年間を経て近大で飛躍。今は甲子園を本拠地として戦う日々だ。

「外野のフェンスの形はしっかり確認して、難しいんで。あとは風」

右翼を定位置とする現役プロ野球選手が、甲子園の注意点を挙げた。自身も試合前には右翼でのノックでフェンスから跳ね返った打球を処理。打撃練習の飛球を何度もキャッチし、入念に風向きを確認してから試合に入る。力を100%発揮するため、準備の大切さを伝えたかった。

球児たちの熱戦が開幕した3日後の13日から始まる後半戦へ向け、残るは1試合。エキシビションマッチは10試合で33打数8安打、打率2割4分2厘で5本塁打。7月31日西武戦で3ランを放ってから18打席ノーアーチと低調だ。宮城・村田町に住む祖父母がラストマッチも観戦予定で、そろそろ1発が欲しいところ。「仙台で見せられるのは最後なんで、いいところを見せたい。しっかりシーズンにつなげられるような試合に」。高校生に負けない熱い戦いで五輪中断期間を締めくくる。【中野椋】