広島森下暢仁投手(23)が、巨人戦で7回3失点と粘投も、6敗目を喫した。3回に坂本、4、7回の大城とソロ3発に泣いた。12試合連続のクオリティースタート(QS、6回以上自責3以下)を達成するも、打線の援護に恵まれず、23歳ラスト登板を白星で飾ることができなかった。東京五輪後2試合の登板で自身2連敗。チームも2連敗で借金は15まで膨らんだ。

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森下が、思わず「あー!」と声を漏らし、両手を膝についた。3回1死走者なしから、坂本に甘く入ったカーブを捉えられ、バットを振り抜かれた。打球は左翼席へ着弾。東京五輪でともに金メダルをつかんだ侍ジャパンのチームメートに手痛い先制パンチを食らい、マウンド上でうなだれた。

悲劇は続いた。すぐ味方が同点に追いついたが、直後の4回2死。今度は大城に、バックスクリーン左へソロを浴びた。その後は、立ち上がりに制球に苦しんだチェンジアップを修正し、三振を積み重ねたが、7回1死から再び大城にチェンジアップを右翼席へ運ばれた。2打席連発ソロを打たれ「最後の1発はいらなかった」とうめいた。くしくも前回巨人と対戦した5月3日の試合と同じ、ソロ3被弾の7回3失点。またも1発攻勢に屈した。

2年目は「1発病」に苦しんでいる。昨季は18試合の登板で計6被弾だったのに対し、今季は15試合で2倍の12被弾。佐々岡監督はこの日の3発を「相手に研究されている中で、コントロールの甘さ。甘いボールをファウルではなくて、しっかりと本塁打を打たれている。もったいない」と嘆いた。

ただ、先発としての役割は果たした。12試合連続のQSを達成。ゲームメーク力は突出していても、打線の援護に恵まれない。「自分も点を取られているので。1点を守り切れていない。(今日も)本塁打3本打たれているので。映像を見て、またイチからやっていきます」と悔しさをにじませ、言葉を振り絞った。

25日で24歳。この日が23歳ラストの登板だった。登板に向けて「いい終わり方ができたらいいですね」と語っていたが、悔しさが残った。誕生日後の最初の登板は、必ず白星で飾る。【古財稜明】