広島鈴木誠也外野手(27)が、1試合2発を含む3安打5打点と爆発し、G倒勝利を導いた。初回に昨季まで通算0本塁打だった巨人の先発菅野から、今季早くも4本目となる先制の16号2ラン。4点リードの7回は戸根からダメ押しの17号3ランを放った。チームは今季最多の5発で大勝し、連敗を3でストップ。この日54歳となった佐々岡真司監督に、最高の誕生日プレゼントを贈った。

   ◇   ◇   ◇

鈴木誠が、菅野に強烈な先制パンチを食らわした。初回2死一塁、フルカウントからの9球目だった。外寄りのスライダーを強振し、打球はバックスクリーンへ一直線で飛び込んだ。着弾を見届けると、一塁を回りバチンっと両手をたたいた。東京五輪を挟み自身15試合ぶりで、後半戦1号に「先制点がほしかったので。本当にたまたまですが、菅野さんんから打ててうれしいです」と喜んだ。

「菅野キラー」と化した。昨季まで通算で0発と苦戦していた巨人のエースから、今季4戦4発。1シーズンで菅野に4本塁打を浴びせた初めての打者となった。「いやたまたまです」と謙遜したが、3回2死からの第2打席では、つまりながらも中前に運んだ。今季の対戦では12打数6安打の打率5割の6打点と抜群の相性をみせている。

勢いは止まらなかった。4点リードの7回2死一、二塁からは戸根の外角直球を一閃(いっせん)し、再びバックスクリーンへ。今季3度目の1試合2発となるダメ押しの17号3ランで勝利を決定づけた。「チャンスの場面だったので、しっかり自分のスイングをしようと打席に入っていたので、追加点となってよかった」と汗を拭った。

復調の糸口を探し続けた。「自分のスイングができなくて、迷惑をかけていた」。後半戦は打率1割8分2厘と苦戦していた。21日のヤクルト戦では、グリップを通常より下げたフォームに挑戦。試合前のフリー打撃で、松本広報に練習の動画撮影を頼み、入念にチェックを重ね、試合でも2打席ほど試した。ここ最近では野間からグリップと芯の間がたる型に膨れ上がったバレルバットを借り、練習で使用する場面も見られた。もがき続けたことが、結果につながった。

「こういうチーム状況のなかでも、たくさんのファンの方々が、毎日応援してくれる。少しでもいい試合がみせれるように、僕も必死に頑張りたい」

完全復活の兆しをみせた主砲。ここから最下位に沈むチームを押し上げていく。【古財稜明】

▽広島菊池涼(6回2死一塁から左翼へ9号2ラン)「いいところで追加点に繋がるホームランになってよかったです」