今秋ドラフト候補の京産大・北山亘基投手(4年=京都成章)が神院大戦に先発し、6回5安打2失点と力投した。1回から自己最速の152キロに更新するなど、150キロ超を連発し、球威十分の速球が光った。変化球が高めに浮いて適時打2本を許したが、3回には低めフォークで空振り三振を奪う場面もあり、持ち味を発揮した。

「真っすぐで抑え込むスタイルですが、球速ほどの内容を感じられなかった。相手打者がストレート待ちで、変化球を多めにしました。打たせて取りました」

コロナ禍の影響で、チームは7月から約1カ月半、練習できなかった。北山も自室でのトレーニングに限られ、走り込みなどもできなかった。対外試合も春季リーグ以来。全体練習を再開後、約3週間で状態を整えた。「急ピッチで仕上げました。ある程度、試合を作れるところまで持ってこられた。そこはよかった」と振り返った。9月5日にはプロ志望届を提出。最後のシーズンで気合十分だ。

「目に見えて分かるのはスカウトの方が来てくれること。でも、気にしている間はダメ。一番の目的はチームが勝つことです」

今秋限りで退任が決まっている勝村法彦監督(64)は「いつも通り、最後まで1戦1戦、戦っていくことしか考えていない」と気を引き締めた。北山も「監督も集大成で、自分たち4回生も集大成。一緒にいい形で終わりたい」と力を込めた。

この日は9球団17人のスカウトが北山を視察。阪神熊野スカウトは「真っすぐは十分、力がある。春に比べて急に(球が)暴れるのがなくなった。リリースポイントも安定してきていると思う」と評価した。初チェックの巨人水野スカウト部参与は「真っすぐが強くスライダーもいい」と話した。