ロッテが「あと1球」から4連敗を逃れた。9回2死一塁、岡大海外野手(30)がカウント1-2からのスライダーを振り抜くと、打った瞬間にほえた。「行くかどうかと思っていたので、行ってくれという気持ちが声に出たと思います」。魂の願いに押され、4号同点2ランが左翼席に届いた。ベンチへ戻ると、ヘルメットなどをたたかれまくった。「チームが皆、同じ方向を向けば、結果もいい方向に」。4月21日にも同じ杉浦の直球をバックスクリーンへサヨナラ本塁打。打つべき人が打った。

勢いはついたが、全てが改善されたわけではない。連続1桁安打が22試合となり、井口監督が現状をあらためて説明した。

「基本的に主軸が全く当たっていない。アウトになっても1個ずつ進めていこうという野球をずっとしているんですけど、今月に入ってからずっとアウトがフライアウトで、内容的にチームとして動けなくなってきているので」

マーティン離脱時の力みもあってか、10月は8試合で70個のフライアウトを重ねる。試合前のミーティングでは「やってきたことを1年間やり通さないと勝てない」と強調した。とはいえ価値あるドローで、12日からのオリックス3連戦(京セラドーム大阪)は2・5ゲーム差で迎える。「(明日)ドラフトでしたね。疲れ切りました」と指揮官は笑うも、チームの熱気を喜んだ。首位に挑む。【金子真仁】