日本ハムの新監督に就任した新庄剛志氏(49)が今日4日、就任会見に臨む。06年に引退して以来の球界復帰で、いよいよ幕を開ける「新庄baseball」。果たしてどんなコメント、パフォーマンスが飛び出すか。03年に米メッツから日本ハム入りした際も数々のサプライズが繰り出された。当時の熱狂と“新庄劇場”を振り返る。(所属、年齢など当時)

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ド派手に、日本ハム新庄が誕生した。元メッツ新庄剛志外野手(31)が20日、都内のホテルで日本ハムと仮契約を交わした。契約金4000万円、年俸8000万円プラス出来高5000万円の2年契約で、背番号は1。会見にはイタリア製のブランド服に身を包み、サングラス姿で登場。愛車フェラーリを冬の北海道でも「タイヤを替えてでも乗りたい」と発言するなど、どこまでも新庄っぽく4年ぶりの日本球界復帰を表明した。スター選手の加入に、札幌市長がコメントするなど周囲の期待も高まるばかりだ。(金額は推定)

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やっぱり新庄は、新庄だった。詰めかけた報道陣の前に、薄茶色のサングラスをかけて登場。無数にたかれたフラッシュを浴びながら、ゆうゆうと歩いた。壇上に座ると、おもむろにサングラスを外した。「今日、仮契約したのは自分のわがまま」。白い歯がこぼれる。憎いほど、さわやかな笑顔で日本ハム入りを表明した。

北海道でも「新庄流」は崩さない。愛車フェラーリを雪道でも乗り続けるという無謀? なプランを披露した。「北海道の雪道でもフェラーリを?」という問いに「そりゃメチャメチャ痛いですけど、タイヤとかを替えてでも乗っていきたいと思います」と即答した。フェラーリは通常の車より車高が低く、寒冷地用のモデルはない。北海道内に約100台あるとされるが、11月から4月まで車庫で越冬するのが基本。しかし、雪塊が車体価格1800万円超の愛車「360モデナ」の腹をこすろうとも、華麗な新庄であり続ける。

ファッションにも、こだわりが表れていた。イタリア・ミラノで購入したという「ドルチェ&ガッバーナ」に身を包んで登場。サッカー界のスーパースター・ベッカムもお気に入りのブランドで固めた。それでも嫌みなイメージはこれっぽっちもなく「ジャージーじゃ来られないでしょ」と笑いを誘うなど、新庄トークがさく裂した。

新庄にとって北海道のイメージは、純であり蛍、五郎…らしい。米国生活の3年間、人気ドラマ「北の国から」のビデオにはまった。ドラマの舞台「富良野へ行ってみたいですね」。北海道のファンからは「ハム入り熱望」署名も手渡された。来季は札幌に居を構える。「早く札幌ドームのセンターのポジションについて走り回りたい」。12月に予定される札幌での正式契約、入団発表も新庄からの希望。この日は仮契約にとどめた。

4年ぶりの日本球界復帰。現在、肉体改造を図っている。食事は肉類を断ち、和食中心。年明けの自主トレは「ハワイになるでしょう」(三沢球団取締役)とこれまでのスタイルも踏襲するが「打撃面ですごく変わらないと」と、選んだ背番号「1」への思いを口にした。北海道のファンには「もうすぐ行くから待っててね」とちゃめっ気たっぷりにメッセージを送った。口調は柔らかかったが、目は笑っていなかった。(2003年11月21日付日刊スポーツ紙面から)