マウンドに立てば、借金つくりません…。西武ドラフト1位、隅田知一郎投手(22=西日本工大)が8日、「貯金をつくれる投手」になることを誓った。

5日の入寮で、なんと故郷の長崎に財布を忘れてしまい、担当の岳野スカウトに1万円を借りたことで話題になった左腕。新人合同自主トレがスタートしたこの日、無事に財布が届き、機知に富んだコメントでシーズンへの抱負を語った。

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新人合同自主トレ初日を終えた隅田は一安心した。寮に戻ると、3日前に長崎に置いてきてしまった財布が届いている…。ドラフト4球団競合左腕は入寮から予期せぬ形で、まさかのエピソードを生み出したが、まず家族に平謝り。それも愛らしい人柄がにじんだ。

隅田 恥ずかしい思いをさせたなと。変な息子だと思われたと思うので「ごめんなさい」と言いました。

無一文の上京となってしまい、羽田空港で合流した岳野スカウトに1万円を借りていた。それも完済できた。そしてシーズンに向けて、こう活躍を誓った。

隅田 1つでも貯金をつくれる投手になりたい。

おっちょこちょいの一面もあるが、体はしっかり準備を整えてきた。キャッチボールでは鋭く、回転のいい球を投げ、変化球も交えた。早くもブルペンにも入れる仕上がりで、岳野スカウトからは「あまり頑張りすぎるなよ」と言われているほど。ただ気持ちがはやりすぎるのは禁物。故障すれば元も子もない。この時期にやっておくべき“忘れ物”がないようにする。「セーブしながら自己管理をしていきたい」と語った。

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視察した辻監督は「大物というか、わくわくしていたのかな。いいエピソードですよ」と“財布忘れ”を笑った。その上で実際に練習を見て「素晴らしい投げ方。雰囲気を感じました」と期待度は高まった。昨季のチームは55勝70敗で借金15。42年ぶり最下位からの逆襲には、サウスポー不足の解消が欠かせない。白星を先行させて、チームに大きく貢献していく。【上田悠太】