関西学生野球の近大が11日、奈良・生駒市内の同校室内練習場で始動し、今秋ドラフト候補で左腕コンビの大石晨慈投手(3年=近大付)と久保玲司投手(3年=関大北陽)が意気込んだ。一緒にキャッチボールを行い、感触をチェック。最速150キロの大石は「勝負の年。去年はふがいないシーズン。新しい1年で、気持ちを入れ替えて」と話した。年明けは初詣へ。「ドラフト1位でプロに行く。チームとして日本一をとる」と願掛けしたという。

大石は昨秋リーグ戦で9試合に登板したが2勝2敗で防御率4・21だった。チームも春が3位で秋が5位と低調で、同リーグ最多47回の優勝を誇る名門の力量を発揮できなかった。大石は言う。「同じリーグで去年(関学大の)黒原さんが(広島に)ドラフト1位だった」。同じ左腕の黒原拓未投手(22)の存在も発奮材料になる。昨季、阪神で活躍した佐藤輝明内野手(22)は同校で2学年上の先輩。「阪神戦はよくテレビで見ていました。スゴイなと。プロはいいなと思いました」と思いを明かした。

「ストレートのスピードは155キロを出したい。カーブは見せ球だったのですが、決め球でも使いたい」

最速151キロの久保もプロへの憧れが強い。昨秋は左肩痛で戦線離脱したが、すでに回復する。「野球人生で一番大事な年になる。日本一になれるように」と気合十分。スライダーやチェンジアップも駆使するタイプだが、自身は「ケガが多い。体が弱かった」と話し、肉体強化に励むつもりだ。田中秀昌監督(64)も「投手陣が大きな課題。防御率は最下位だった。その差が顕著に出ている」と話す。覇権奪回に向けて左腕コンビがキーマンになる。