「BIG チャレンジ」に挑む若鷹がいる。ソフトバンクの育成2年目、桑原秀侍投手(19)だ。今季から本格的に投打の二刀流に挑戦。今キャンプでは投打のメニューをこなし「どちらでも支配下を取れるように」と、2桁背番号を目指して奮闘中だ。

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桑原は、第1クール初日に投手としてブルペン入り。2日目は野手で打撃や守備練習に参加すると、3日目は再びブルペン投球などを行った。第2クール初日はシートノックや投内連係で遊撃の守備に就き、打撃練習など野手メニューを完走。6日以降は投手として、フリー打撃に登板する予定もある。

20年の育成ドラフト3位で神村学園から入団。高校時代は投手、遊撃、左翼を守り、投打で注目された。1年目の昨季は3軍戦で34試合に登板した。昨年10月ごろに球団から二刀流への挑戦を提案され「やってみたい」と即答。フェニックスリーグでは代打出場で安打も放った。秋季練習から野手の練習もスタートさせ、今キャンプでは本格的に二刀流としてのメニューをこなしている。

見守る小久保2軍監督は「一番気をつけているのは体のことですね。両方練習しているので、負担は大きい」と首脳陣で練習メニューなどを試行錯誤しながら「本人にやる気があるのが一番大事。チャレンジするのはいいこと」と背中を押している。

「二刀流」の代名詞であるエンゼルス大谷については「レベルが違いすぎるんですけど、あんな風になれたらという思いはあります」と憧れを抱きながら、冷静に先を見ている。「どちらもやれるのが理想ですけど、どちらかで支配下で取ってもらえるとなったら、そちらに専念してもいい」と、支配下登録へのチャンスを広げる狙いもある。球団としても新たな試みの「BIG チャレンジ」で大きく羽ばたく。【山本大地】

◆桑原秀侍(くわはら・しゅうじ)2002年(平14)5月29日、熊本市生まれ。野球は泉ケ丘小3から中島サンダーズで本格的に始め、湖東中時は熊本中央ボーイズでプレー。中3時に日本代表として世界大会出場。神村学園では投手、遊撃、左翼を守り、3年夏の代替大会では4本塁打した。175センチ、79キロ。右投げ右打ち。