ソフトバンクは28日、宮崎春季キャンプを打ち上げた。「競争」をテーマに掲げてきた藤本博史監督(58)は投のMVPに田中正義投手(27)を、打は2年目井上朋也内野手(19)の名前を挙げた。

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雲ひとつない快晴の空の下、一本締めが行われ「藤本ホークス」として初の春季キャンプが幕を閉じた。「世代交代と言われる中、若い選手が元気を出して目の色を変えて練習に取り組んでくれたと思います」。多くの若手が抜てきされ、活気にあふれた1カ月を振り返り、指揮官は満足そうにうなずいた。

投手陣で目立ったのは、今季6年目で先発ローテーション争いをする田中正だった。紅白戦を含む実戦3試合で計7回1失点。課題だった制球面で崩れることもなく、成長した姿を見せている。藤本監督も「去年1軍で経験して、少し自信も見えるし、やってやろうという気持ちも見えるし、結果も出ている」とほめた。

打者ではまだ10代の井上が猛アピールした。コロナ禍の影響で巡ってきたA組チャンスではあったが、実戦8試合で20打数9安打、打率4割5分で存在感を発揮。B組に落ちることなく完走し、オープン戦切符もつかんだ。指揮官は「いいアピールをしてくれましたよね。サードはリチャードと松田の競争だと言われている中で、すごくいいものを見せてくれた」。ノーマークから、開幕サード争いに割って入ってきた若鷹をたたえた。

投打ともに新戦力が開花の兆しを見せ、実りあるキャンプになった。3月2日からは本拠地ペイペイドームでオープン戦が再開。本格的なサバイバルが幕を開ける。【山本大地】

ソフトバンク田中正 チャンスをいただいていますし、そこに感謝して、その思いに応えられるようにと思って日々を過ごしています。ここからが勝負というか、スタート。しっかり結果を残せるように頑張りたい。

ソフトバンク井上 競争という中で、最低限のアピールはできたと思います。オープン戦ではこの1カ月以上にアピールしていきたいと思います。