侍ジャパン栗山英樹監督が20日、“現場主義”で大学野球の好カードを視察した。

「プロアマ関係なく、才能ある選手たちはしっかり見ていく」と、埼玉・新座の立大グラウンドへ足を運んだ。立大・荘司康誠(3年=新潟明訓)日体大・矢沢宏太(3年=藤嶺学園藤沢)の今秋ドラフト候補投手同士の投げ合いとなったオープン戦。立大の4番山田健太内野手(3年=大阪桐蔭)も上位候補に挙がる。

試合は互いに譲らなかった。荘司が150キロオーバーの直球にフォークを交え7回10奪三振3安打1失点にまとめれば、矢沢は140キロ台後半の直球にキレのあるスライダーで7回8奪三振5安打1失点。山田は4打数無安打だったが、6回無死二塁では右飛を放ち、同点につなげる進塁打とした。

1-1の熱戦を見届けた栗山監督は「矢沢君、良さがすごく出ていた。長く投げたんで、良くなるための課題もはっきりした。山田君はスケール感がある。今日、結果が出る、出ないじゃなくて、内容がいい。(二塁の)守備の動きも確認したかった。荘司君は、もっと良くなるよね」と熱く語った。

さらに、日体大2番手の勝本樹投手(3年=明石商)にも注目。「楽しみだよね」。191センチ右腕は140キロ台後半の直球に力があり、2回1安打無失点に抑えた。

3月初旬に予定されていた侍ジャパンの台湾との強化試合は、コロナで無念の中止となった。栗山監督は、代表には大学生も呼ぶつもりだった。「答えは現場にしかない」と、広い視野からの視察を続けていく。

▽日体大・矢沢宏太投手 ランナーを背負ってからの投球を意識しました。それまで抜いているわけではなく、さらに力を入れようと。めりはりを付けることができました。(栗山監督の視察は)今朝、聞いて、モチベーションが上がりました。一選手として現状に満足しちゃいけない。ジャパンで野球をしたい気持ちはあります。ただ、まだまだ。もっと成長しないといけません。

▽立大・山田健太内野手 (矢沢に3打席凡退で)去年の(大学)代表合宿の時よりも速くなってました。打ちたかったです。(栗山監督の視察は)光栄なこと。気持ちが高ぶりました。最大限のことをしようと臨みました。自分もいずれ、トップチームで活躍したいです。まだアマチュアですが、憧れの舞台です。