オリックス山本由伸投手(23)が快投で、10年連続で開幕戦黒星を喫していたチームの負の歴史をストップさせた。

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8回を投げ、3安打無失点。9つの三振を奪った。打線の援護も受け、自らは2度目の挑戦で初の開幕戦白星を手中にし、チームにとっては12年ぶりの開幕戦勝利となった。また、昨年から続く自身のシーズン連勝を「16」とした。

試合後「開幕戦ということで、とにかく気合をいれてマウンドに上がったので、勝てて良かったです。長く開幕戦を落とし続けていたので、ファンの方が一番うれしいのではないかと思います」と振り返った。

西武打線の前に立ちはだかり続けた。自身初の開幕投手を務めた昨季、同カード、同球場で黒星を喫していた。2年連続で開幕投手を託された右腕は、この日に向けて「去年、負けているので、リベンジという意味でも。今シーズンの流れを左右する意味でも頑張りたい。全力で腕を振るだけ」と決意を示していたが、言葉通りの力投だった。

4回先頭まで西武打線をノーヒットに封じ、7回の先頭打者に右前打を打たれるまで、外野に打球を飛ばさせなかった。

仲間の奮闘に感謝し、ともに喜んだ。6回2死二塁から、2番宗が先制適時二塁打を放つと、一塁ベンチ前で右拳を大きく突き上げた。2点リードの7回2死一、二塁のピンチでは、センター福田が懸命にダイビングキャッチの好捕。エースは両拳をグッと上げて、グラブをたたいた。

勝利への気迫は、自身のプレーにも表れた。5回無死一塁では外崎のバントが、投手前に浮いた。山本はマウンドから全速力で駆け降り、ダイビングキャッチ。頭から滑り込み、白球を落とさなかった。

チームは10年の勝利を最後に、11年連続で開幕戦白星がなかった。12年以降は10連敗中で、この日に敗れて、開幕11連敗となれば、2リーグ分立後では91~01年の阪神のプロ野球ワースト記録となるところだった。嫌なデータを吹き飛ばし、チーム一丸で勝利の2文字をがっちりとつかんだ。リーグ連覇&日本一の目標に、オリックスが第1歩を踏み出した。【真柴健】