ロッテ佐々木朗希投手(20)が10日のオリックス戦(ZOZOマリン)でNPB28年ぶりの完全試合を達成した。

13者連続奪三振の日本新記録、19奪三振の日本タイ記録、自己最速タイの164キロ。記録ラッシュの余韻は今も続く。

そんな中、実は10日の登板でもう1つ、自身の“最高値”を記録していた。ストライク率だ。全105球に対し、ボール判定は23球。ファウルやアウトも含め、ストライクとなった率が78・1%だった。昨年10月6日の楽天戦(ZOZOマリン)での77・3%を超えた。

大船渡(岩手)時代もここまで高い数値を出したことはなかった。高校3年時、球速表示の環境がある全15試合(うち1試合は日刊スポーツ保有のスピードガンで計測)での最高のストライク率は、19年7月6日の練習試合・柏木農(青森)戦での75・7%だった。公式戦では同7月21日、岩手大会4回戦、延長12回まで及んだ盛岡四戦での72・2%が最高値になる。

一般的に、より判定がシビアとされるプロ野球のストライクゾーンで、高校時代よりもストライクの比率が増えている。球が速いイコール、制球に課題-。そんなイメージで見られることが多かったが、少なくとも163キロ右腕として注目を集めるようになってから、佐々木のコントロールは安定している。

制球の安定について、昨秋には「(少年時代は)すごくコントロールが悪かったです。C球、B球、硬式ってなって。それにつれて球速とコントロールが同時に上がってきました」と明かしている。

昨年と比べても、ストライク率は約2・5%上昇。本人がよく言う「慣れ」に加え、球威や球速増でよりストライクゾーンで勝負しやすい力をつけたことで、四球さえ出さない完全試合の可能性が高まっていたといえる。【金子真仁】