窮地を救うのは、4番輝だ! 阪神佐藤輝明内野手(23)が11試合ぶりに4番に座る。

24日のヤクルト戦(神宮)で左足を痛めた大山悠輔内野手(27)は全開のプレーが難しい状態と判明。26日の中日戦(甲子園)は雨天中止となったが、大山は欠場、代わりに佐藤輝が4番に戻る予定だった。調子を上げてきたスラッガーが、チームの苦境に立ち向かう。

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光を見いだしつつあった矢野阪神に、またも試練が降りかかった。このピンチで佐藤輝がまたも大きな責任を背負うことになった。

24日に左足を痛めた大山について、矢野監督は「今日はやめとこうかなと思っていた」と明かした。「重傷ではない?」と聞かれると「軽傷でもないと思う」と楽観視できない状況であることを認めた。井上ヘッドコーチも内情を明かす。「アスリートあるあるで本人は『大丈夫。いけます』と言うけど、長引くのが一番怖い。登録抹消は避けたい。試合に出つつというか、トレーナーといい方向にいけるようにしながら、対処します」。

大山の起用法は様子を見ながらになる。チームにとっても大山にとっても恵みの雨になったこの日、背番号3は室内でキャッチボール、ティー打撃など軽めのメニュー。現状、全力プレーを毎日続けることが難しいのは確かなようだ。

大山は22日のヤクルト戦(神宮)で連敗を4で止める決勝の先制3号2ランを放つなど上り調子だった。開幕時に3番だったマルテの下半身コンディション不良に続いて、大山まで…。井上ヘッドは4番について「輝明になるでしょう。重荷だけども、そこはあいつも成長というか、自覚が出てきた。大丈夫だと思う」と力を込めた。

佐藤輝が4番復帰すれば11試合ぶりになる。大山と4番を争いながらキャンプを過ごし、勝ち取る形で開幕を迎えた。開幕から4番として16試合で打率2割7分7厘、3本塁打、8打点。5日DeNA戦(甲子園)では2ランを放って、10試合目で初勝利に導いた。

しかしチームの低迷やマルテの離脱などで、打線を1度解体。佐藤輝は14日から2番、さらに21日から3番へ。「3番佐藤輝、4番大山」の並びで打線も機能し、ヤクルトに勝ち越した。巻き返しへ加速しようとした矢先のアクシデントだった。

佐藤輝は「何番でも自分の打撃をしたい」と繰り返してきた。チームの窮地で訪れた4番復帰。打線の顔として、まさに真価が問われる。【柏原誠】

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