復帰即完封リード!! 開幕前の下半身の張りで出遅れていたヤクルト中村悠平捕手(31)が、3日阪神戦(甲子園)で出場選手登録され「7番捕手」で先発出場。開幕投手ながら未勝利だった同学年のエース小川を強気なリードで完封勝利に導いた。攻守ともに頼もしい正捕手の復活で6連勝中の阪神を破り、チームは今季初の4連勝。敗れた首位巨人と1・5ゲーム差に接近した。

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9回2死一塁、4番大山を右飛に仕留めて自身の“開幕戦”を勝利で飾った中村が、小川に歩み寄り笑顔でグータッチを交わした。「(開幕から)1カ月ちょっとたって、思ったより長引いてしまったんですけど僕にとっては開幕戦。小川も一つ勝つことができて、お互いにとって良かった」と納得の表情を見せた。

最大のヤマ場は3点リードの6回2死二、三塁、1発同点のピンチで3番佐藤輝を迎えた場面だった。直前の中野にチェンジアップを安打性のセンターライナーとされており「チェンジアップ、もうヤバいなと。だったら真っすぐで心中しようと思って。『全部いったれ』みたいな感じで、ある意味いい開き直りが出来た」。6球全て内角高めに直球を要求。最後は三邪飛に仕留めた。

昨季は主に6番を担い、日本シリーズではMVPを獲得。ゴールデングラブ賞も受賞した絶対的な「攻守の要」だ。今季からOBで元監督の古田敦也氏の背番号「27」を引き継ぐなど期待も大きかったが、3月10日から下半身の張りで離脱。4月22日の2軍戦で実戦復帰し、1日から1軍に合流した。「やっぱりもどかしさはありました。(1軍の)試合を見ることもあまりなくて。やっぱり戻ったらその分を晴らしたいなという気持ちずっと持っていた」と、これまでの心境を告白。不在の間に高卒2年目の内山壮や23歳の古賀が奮闘したことは「それも刺激になってました。だから今日はほんとプレッシャーというか、不安な面もあったんですけど。ライアン(小川)と、いい1日を過ごすことが出来ました」と語った。

チームを完封勝利に導いたが「まだヒットを打ってないんで。ヒット打って個人的に開幕出来るように頑張ります」とニヤリ。リードだけでなく、打撃でも存在感を示していく決意だ。【鈴木正章】

▽ヤクルト高津監督(復帰の中村について)「彼の開幕戦ですから、いい形で終われて良かった。しっかり投打ともに引っ張れる存在であってほしい」

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