ヤクルトが村上宗隆内野手(22)の4年連続となる8号満塁弾で圧勝し、首位巨人に0・5ゲーム差に迫った。

1-1の3回に、バックスクリーン直撃の勝ち越しグランドスラムで、打線が着火。いずれも今季最多の18安打13得点の猛攻で、巨人を粉砕した。19年から続く連続満塁弾で、5月の首位攻防戦に先勝。最大5ゲーム差あった首位に肉薄し、今日にも浮上する。

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追い込まれて広げたゾーンに、低めの直球が入ってきた。1-1の3回無死満塁。村上の意識は「センター(方向)にコンパクトにいく意識。何がきても打てるような準備をして待ってました」。真芯でとらえた打球は、バックスクリーン直撃の勝ち越し満塁弾。「なんとかコンパクトにいった結果。感触としては芯に当たったかなという感触でした」。おぼろげながら記憶に残る東京ドームでの満塁弾だった。

17年前の06年4月30日、小学校入学して初めての大型連休で、熊本から家族旅行で東京へ来ていた。向かった場所はこの東京ドーム。巨人-中日戦の観戦だった。その試合、二岡(現巨人2軍監督)が放った史上初の2打席連続満塁弾をスタンドから目撃。かつて見上げたグランドスラムを、同じ場所で描き「なんとか(走者を)かえして逆転したいなという思いだったので、それだけですね」と言ってのけた。

満塁弾は19年から4年連続4度目だが、場所は19年マツダ、20年神宮、21年横浜と、東京ドームでは初めてだった。「どの球場でも試行錯誤してやることは変わらない。どの球場であっても頑張りたいなと思っているので」。得手不得手の1発ではなく、勝利を追求した結果だった。

4番の一振りで打線が着火し、今季最多の18安打13得点と圧勝。首位巨人に0・5ゲーム差と肉薄し「長い道のり。まだまだ先はありますし、その中の1試合をまた明日やるだけ。その積み重ねです」。手に残る感触を拭い去り、次も勝つために打席に立つだけだ。【栗田成芳】

▽ヤクルト高津監督(18安打13得点) ムネ(村上)がすごく目立ってしまうけど、それまでのつなぎとか評価しないといけない。四球からめてバント、スチール、もちろん最後はホームランとか、つなげてしっかり得点できたことは、我々が目標としている点の取り方。

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