京大が近大に逆転勝ちで1勝1敗とし、82年の新リーグ発足以降、初となる2位の可能性を残した。

梶川恭隆外野手(4年=旭丘)が、京大史上初の代打逆転満塁本塁打で白星に大きく貢献した。

甘く入った直球を見逃さなかった。3点を追って迎えた6回だった。2点を奪って1点差に迫り、なおも2死満塁。代打梶川が力強く振り抜いた打球は、左翼フェンスの奥へ。行方を確認すると右拳を突き上げた。「打った瞬間、絶対に入ると思いました」。京大史上初めての代打満塁弾だ。グランドスラムも京大では87年春の沢田誠以来、35年ぶり。歴史的な1発にベンチ前で喜びを爆発させた。

元ソフトバンクの近田怜王監督(32)も「ウチのチームで一番信頼している代打。選球眼の良さが一番の武器。去年から長打力もついてきた」と信頼を置く。だが、劇的アーチにはさすがに驚いただろう。「1発はできすぎ」とコメントした。1日の近大戦では6回に13失点を喫したが、その後、降雨ノーゲームに。天も味方につけて再戦の一戦をもぎ取った。

今春リーグでは快進撃が続く。開幕節では昨秋リーグ王者の関大を40年ぶりに撃破。さらに、立命大からも20年ぶりに勝ち点を奪取。勝ち点「2」として、3年4季ぶりの最下位脱出を決めている。

新リーグ発足以降では19年秋の4位が最高。18日時点ではリーグ3位につけ、優勝こそなくなったが2位の可能性も残す。殊勲の1発を放った梶川は「今は京大の歴史をつくっている途中にいて、充実しています。できる気もしてきています」と自信ものぞかせる。

残る試合は21日からの関学大戦と1勝1敗で迎える24日の近大3回戦。近大から勝ち点を奪えば、新リーグ発足後初の快挙だ。近田監督も「しっかり勝ち点を取りたい。勝つことを貪欲に求めていこうと思います」。最後の最後まで京大野球部から目が離せない。