阪神伊藤将司投手(26)が、プロ初完封を無四死球で飾った。新型コロナ陽性による離脱から1カ月半ぶりの1軍登板。

巨人に8安打を浴びながら、今季初勝利を挙げた。 巨人戦でプロ初完封と無四死球を同時に達成したのは球団史上初。昨季2ケタ勝利を挙げた左腕が甲子園で鮮やかに戦列復帰した。チームは連勝で、11年ぶりに巨人に3カード続けて勝ち越し。24日からの交流戦に勢いをつけた。

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伊藤将の恩師、国際武道大の岩井美樹監督(67)が教え子の快投を喜んだ。千葉県リーグの真っただ中で大学の試合後、スマホで逐一、速報を追った。「(新型コロナの影響で)スタートが遅くなってしまったけど、完封できるなんてね、びっくりしました。本当によかった」。伊藤将の象徴ともいえる右手のグラブを高く上げるフォームをずっと推奨し続けてきた。「個性があった方がいい。右腕をもっと上げてみたらと」。伊藤将はその言葉を大事にし続け、下半身のぶれないフォームを習得した。

去年のシーズン中、岩井監督は「もっと空の雲をつかんで投げろ!」と言ったという。真に受けて「雲はつかめません…」と返すあたりに左腕の実直な性格がうかがえる。約1カ月半ぶりに戻ってきた1軍の舞台。甲子園でも、雲をつかむ勢いで天高くグラブを突き上げていた。【阪神担当 三宅ひとみ】

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