ソフトバンク和田毅投手(41)が6回1失点の好投で今季2勝目を挙げ、日米通算150勝に到達した。

8個の三振を奪って、通算1762個とし、元監督の杉浦忠を抜いて球団新記録となった。今でも進化を続けるレジェンド左腕が、うれしいダブルの快記録達成となった。チームは楽天との首位攻防戦で3連勝し、1.5ゲーム差をつけた。

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一気に、2つの快挙を成し遂げた。日米通算150勝に到達し「ホッとしました」と笑顔。さらに、通算奪三振の球団記録も塗り替えた。「入団するときに、杉浦さんのような投手になれるようにという思いも込めて21番を選んだ。『21』を背負って、1つでも(数字を)抜くことができてうれしい」。大先輩の記録を超え、喜びがあふれた。

初回から、飛ばしに飛ばした。1死から小深田、浅村をいずれも直球で空振り三振。続く2回、先頭の島内も直球で見逃し三振に仕留めた。球速は140キロ台中盤の直球でも、楽天打線のバットは空を斬った。制球もさえ、8個のうち5三振を見逃しで奪った。

5回まで完全投球だったが、6回1死で茂木に右越えのソロを打たれた。「(完全試合は)無理に決まっているだろうと思っているので。1イニングでも、1人でも打者を打ち取るということしか考えていなかった」。初安打で1点を失っても動じず、他の打者の出塁は許さなかった。

5月22日ロッテ戦で挙げた149勝目から、約1カ月足踏みが続いた。同29日広島戦では、足がつって4回途中降板。41歳の左腕は「年齢とともに、そういうことが起きてしまっている。そういうことがあると認めて、改善しないといけない」。登板前の調整を変更。「(登板の)2、3日くらい前からミネラル系、ビタミン系を体に入れるようにしている。千賀が教えてくれた。それから足がつることもないし、兆候も出ていない。体の調子もすごくいい」。後輩の助言に耳を傾け、また1つ進化した。

左肘手術を受けるなど、苦しんだ米国での4年間。日本復帰後も左肩痛などに見舞われた。乗り越え、前に進み、ここまで来た。「野球人というか人間としても成長していると思います。昔の自分より今の自分の方が、いろんな意味で、自分では好きかなと思っている」。次はNPB150勝。ここはまだ通過点だ。

この日は父の日で「朝、奥さんと娘からプレゼントをもらいました」と笑顔。かっこいいパパの姿で、応えた。【山本大地】

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