7月の日差しは巨人ナインには厳しく、痛かった。9回無死一塁、3番手平内の直球をマクブルームに右中間席へ運ばれると、球場の熱気が最高潮に。気温30度超の強い日光を浴びながら、劇的勝利に喜ぶ広島ナインの間を擦り抜け、三塁側ベンチの奥へ消えた。今季5度目の無得点負けで、3連敗。最大11あった貯金は80試合目ですべて吐き出した。7月の勝率5割は、負け越しで迎えた18年以来。原辰徳監督は「悲観的にとらえる必要はないと思います。むしろしてはいけないでしょう」と前を向いた。

投打がかみ合わない戦いが続く。菅野が先発陣で9試合ぶりにクオリティースタート(6回以上、自責3以内)を決めたが、組み替えた打線でも援護できない。6回1死三塁では丸の強烈な投ゴロで三塁走者吉川が三本間で身動きが取れずにタッチアウト。8回1死満塁は丸とウォーカーが倒れた。接戦での「あと1本」が出ないまま、厳しい夏を迎えようとしている。

96年「メークドラマ」は首位と最大11・5差、08年「メークレジェンド」は同13差をひっくり返した。今季は独走燕を追うスタートラインに立つどころか、3位広島に0・5差に迫られた。「どういう形であっても前を向いてプラスに考えないとね。ペナントレースはまだまだ長いしね。これから熱くなるわけだから」。残り63試合。いちばん熱い夏にしなければ、伝説の秋は来ない。【浜本卓也】

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