阪神才木浩人投手(23)が19年5月12日の中日戦(甲子園)以来1148日ぶりの1軍マウンドで5回、76球、5安打、無失点と好投し、19年5月1日広島戦(甲子園)以来、通算9勝目の勝利となった。

トミー・ジョン手術、育成契約での苦しいリハビリを乗り越えて帰ってきた。先頭岡林の初球には151キロ直球を投げ込んだ。1番岡林、2番溝脇と2者連続で空振り三振を奪う好スタート。3点リードした5回は1死満塁のピンチをつくったが、9番柳をフォークで空振り三振。続く岡林には高め直球で押し込み、三邪飛に仕留めた。

登板前日の2日には「今はめちゃくちゃ楽しみ。思い切って腕を振る姿をいろんな人に見てもらえるとうれしい。しっかりゲームをつくる投球がしたい」と話していたが、しっかり先発の役割を果たした。

◆トミー・ジョン手術 損傷した肘の靱帯(じんたい)を切除し、他の部位から正常な腱(けん)を移植する手術。74年に故フランク・ジョーブ博士が、左肘の腱を断裂した通算288勝のトミー・ジョン投手に初めて施術したことから通称でこう呼ばれる。日本では、古くは村田兆治(ロッテ)桑田真澄(巨人)らも受けた。13年にはカブス藤川球児も受け、16年に阪神復帰後も活躍した。かつては最低2年とされていた治療期間も大幅に短縮。「球速が5~6キロ速くなった」と感じる投手も多い。米紙ワシントン・ポスト電子版によると、レンジャーズ在籍中のダルビッシュ有が15年に手術を受けたところ、球速がアップ。直球の平均が術前の14年には148~151・3キロだったのが、16年の復帰直後には155・6キロに向上。平均4・8キロも速くなったと伝えている。エンゼルス大谷翔平も18年10月に同手術を受け、21年に9勝を挙げた。

【ニッカン式スコア】3日の中日-阪神戦詳細スコア