虎のお祭り男は今年も健在だ! 全セの阪神近本光司外野手(27)が、マルチ安打と存在感を示した。球宴第1戦に「2番左翼」で出場。新人から3回連続で出ているお祭りの舞台で持ち味を遺憾なく発揮し、セ・リーグの打線を引っ張った。

「こんな満員の中で久々に野球ができたというのと、たくさんの選手、ファンが集まった中、すごいプレーだったり、力の勝負だったり、僕の中ではすごく楽しかった。いい1日だったかなと思います」

初回無死二塁からソフトバンクの左腕大関を相手に一塁へボテボテのゴロを放つも、快足を飛ばして内野安打をマーク。続く牧の打席ですかさず二盗を決めた。3回1死からは楽天則本の155キロをつまりながらも左前へ運んだ。3打席目はロッテ小野に空振り三振に倒れ、6回の守備からベンチへ退いた。2安打を記録したが、「ヒットはあんまり意識してなくて、ホームランを打ちたかった」と笑顔で本音をこぼした。

球宴での活躍は定番となった。新人で出場した19年は、第2戦で史上2人目のサイクル安打を達成。昨年は4打数2安打1打点を記録した。これで球宴は13打数9安打3打点。打率は驚異の6割9分2厘と圧倒的な数字を残している。

球宴ならではの収穫もあった。この日1、2番コンビを組み、盗塁数リーグトップの「22」を誇るヤクルト塩見と盗塁談議に花を咲かせた。「盗塁についてはよく話しましたね。感覚的にも似ていたので、『やっぱそうなりますよね』と。技術面というよりもメンタルの方が大きかったですね」。盗塁失敗時の気持ちの切り替えなど、共感する部分が多々あったという。

守備では本来の中堅ではなく、左翼についた。阪神でも1、2年目で左翼を守った経験があり「その時のことを思い出して、レフトの方が楽しいなと。レフトの方がボールの見方とか、自分は合っているので、いずれはレフト守りたい」と将来的な定位置変更を熱望? した。

お祭り男近本から目が離せない。【古財稜明】

▼近本が3打数2安打の活躍を見せた。これでオールスター通算5試合で13打数9安打、通算打率6割9分2厘という大当たりだ。近本は19年<2>戦で、球宴史上2人目のサイクル安打を達成。この試合の第1打席から、21年<1>戦第2打席まで、球宴最長の7打席連続安打も記録している。

▼なお150打数以上の最高打率は長嶋茂雄(巨人)の3割1分3厘。30打数以上という基準では、和田豊(阪神)の4割3分3厘。

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