西武は小技を絡め、先制の2点をもぎ取った。初回、先頭外崎が四球を選び、続く源田が左前打でチャンスを拡大させた。

無死一、二塁。打席には3番森が入った。

その初球だった。天才的なバットコントロールを持つ男がバットを寝かせた。送りバント。外角高め129キロシンカーをうまく打球の勢いを殺した。捕手松川と投手石川の間に転がした。見事にバントを成功させて、走者を進めた。

ベンチからの指示ではなかった。状況を見極め、自主的な判断だった。森は「サインではありませんでしたが、どうしても1点欲しかったのでバントをしました。その後、得点につながって良かったです」。犠打は今季292打席目で初。昨年4月22日以来、通算では5個目だった。

1死二、三塁となり、山川は二飛に倒れたが、呉念庭が勝負強さを見せ、中前2点適時打を放った。森が自ら選んだバントはしっかり先取点につながった。

1回裏の守備では四球と死球で無死一、二塁のピンチとなった。ロッテ3番中村奨はバントを試みたが、森が素早く処理し、併殺に仕留めた。同じ状況で、同じ攻め方だったが、結果は対照的だった。

【ニッカン式スコア】23日のロッテ-西武戦詳細スコア