リーグ最終戦で優勝を逃したソフトバンクは、西武と戦う8日からのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦にエース千賀滉大投手(29)が先発する。4日、ペイペイドームで投手練習に参加した右腕は、前日3日にヤクルト村上宗隆内野手(22)の今季56号本塁打を現地で目撃したことを明かした。「令和の怪物」からも刺激を受け、2位からの下克上日本一を目指す。

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千賀は興奮気味に、前夜目撃した快挙を振り返った。「雰囲気すごかったですよ。エグいなあと思いながら。ファンの人が求めていることをするという、プロ野球選手だなとあらためて思いましたし、雰囲気とかも全部持っていけるのはすごいなと、スタンドから見ていて思いました」。親交があり、引退試合に出場した嶋の招待で、ヤクルトの今季最終戦を観戦するため神宮球場を訪れていた千賀は、村上の56号本塁打を目の当たりにしていた。

村上とは昨年、金メダルを獲得した東京五輪で日本代表のチームメートでもあった。千賀は「でも、おれがおらんかったら55やからなと、ずっと思ってました」と、6月10日の交流戦で17号ソロを浴びたことを引き合いにしつつ「すごすぎる。22歳ですし。自分に厳しくやってきたからこそなのかなと、見ていて思いました」と、大いに刺激を受けた。

リーグ優勝は逃したが、CSを勝ち進めば日本シリーズでヤクルトと対戦する可能性もある。まずは8日からのファーストS、3位西武との対戦だ。エースの千賀は初戦の先発を任された。「まずは戦いに向けて気持ちをつくるところからスタートかなと思います。正直、今はやったるぞという気持ちよりは、そこに向けてどう調整していくかという気持ちが強い。それくらい143試合の大きさをあらためて感じた」。まだシーズン激闘の悔しさは抜けきらないが、なんとか前を向こうとしている。

「オリックスと言うより、まずは目の前の西武に対してどう戦っていくかと言うことが大事。ファイナルにいかなかったら、そもそもそんな話はできない。目の前の戦いを一生懸命やることがぼくらにできるベストなので」。まずはエースが先陣を切り、チームに勢いをもたらす。【山本大地】

○…西武とのファーストSでは、初戦の千賀以降は東浜、石川の経験豊富な両右腕が先発する見込みだ。この日、投手練習を見守った斎藤投手コーチは「当然、いい投手からいくことになる。先発がどこまで頑張れるかが一番最初に来るところ。先発陣がしっかりしていければ、後ろはなんとかなる」と話し、先発陣への奮起を促した。

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