空振り三振に倒れた球を、次はスタンドに運んだ。

慶大の4番萩尾匡也外野手(4年=文徳)は1点を追う3回2死満塁で、明大の先発・蒔田稔投手(3年=九州学院)のカーブを空振り三振。好機を逃した。

しかし、5回2死一、二塁のチャンスでは「直球を待って、カーブが来たら反応しよう」と、2球目のカーブに合わせて左越えの逆転適時二塁打。1人で5打点を挙げ「同郷(熊本県)の後輩に抑えられていたので、やり返したいと思った」と笑顔だった。

6回には、狙っていた直球を左中間へ3ラン。本塁打は明大・宗山と並ぶ今秋3本目で、打率4割5分2厘、13打点は3部門でトップだ。3年までは1本塁打のみだったが、日本ハム山田アマスカウト顧問は「体が強くなって、スイングスピードが速くなった。4年になっても成長している」と評価する。それでも本人は「反省ばかりです」。謙虚に頂点を狙う。