次代のエースはオレだ!ソフトバンクの21年ドラフト1位風間球打投手(19)が16日、沖データコンピュータ教育学院との3軍練習試合(タマスタ筑後)でプロ2度目の実戦登板に臨み、2回2安打1失点。直球の最速は151キロを計測。前日15日に千賀滉大投手(29)が海外フリーエージェント(FA)権の行使を明言したことを受け、「(先発陣の)枠を狙っていきたい」と意欲を示した。

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未来のエース候補が成長曲線を描き始めた。風間がプロ2度目の実戦マウンドに上がり、150キロ台を4度も計測。「2試合目ということで、体のキレも少しずつ良くなってきました」。2回1死からは8、9番打者をフォークと直球で連続三振に仕留めた。

最速は151キロ。初回に1点を失ったが、2回2安打1失点、プロ入り後最多の34球を投じた。「初回の入りがまだまだ悪い。先発でやっていくには、初回からしっかりと試合をつくれるようなピッチングをするのが大事」。反省も忘れなかった。

21年ドラフト1位で入団した最速157キロ右腕。まだ19歳とはいえ、期待は大きい。前日15日、エース千賀が今オフの海外FA権の行使を明言した。一夜明け、大器の片りんを見せた風間は迷いなく言う。「来年からは自分も1軍の舞台でチームの一員としてプレーしたい」。千賀が移籍となれば、先発ローテーションに空きが生まれる。「もちろん(その枠を)狙っていきたいと思っています」と言い切った。

まずは11月に行われる秋季キャンプがアピールの場になる。1年目の今季は右肘の張りで出遅れたが「体力面や1年間プレーできる体づくり。早く1軍に上がれるように、キャンプでしっかり自分を追い込んでやりたい」。10月24日からは韓国・釜山近郊でロッテ、サムソン、ハンファの3球団と3試合の海外遠征に同行。本格的に実戦経験を積む。「やっぱり支配下ですし、A組(1軍)に行きたい」と、来春の宮崎キャンプも見据えた。

1月の新人合同自主トレでは、千賀に「お化けフォーク」を教わった。「最近は変化球の感覚が悪い。これからどんどん投げながら確かめていきたいです」。王会長もほれ込んだ金の卵が、エース街道を歩く。【只松憲】

◆風間球打(かざま・きゅうた) 2003年(平15)10月11日生まれ、山梨県甲州市出身。奥野田小1年時に野球を始め、同3年時から投手に転向。塩山中時代は笛吹ボーイズでプレー。ノースアジア大明桜では1年春からベンチ入り。3年夏の秋田大会準々決勝・秋田戦で、最速157キロをマークした。同年の甲子園は2回戦敗退。家族は両親、長男球道(きゅうどう)さん、次男球星(きゅうせい)さん、四男球志良(きゅうしろう)さん。背番号「1」。184センチ、83キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸は1100万円。

<ソフトバンク風間の歩み>

◆21年10月9日 王貞治球団会長が風間のドラフト1位指名を明言。「素晴らしい素質を持った剛速球。将来的にはエースになってくれる」と絶賛した。同11日のドラフト会議は1位でソフトバンク入り。

◆21年10月12日 仮契約で「300勝」「160キロ」と2大目標を宣言。仮契約は契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1100万円で合意した。(金額は推定)

◆22年1月25日 新人合同自主トレ中に千賀のキャッチボール、ブルペン投球を見学。食堂で千賀にあいさつを交わし「一回り体がでかい。馬の体のよう。僕はまだ子猫ちゃん」とプロ意識を高めた。

◆22年2月4日 2軍本拠地・タマスタ筑後のC組キャンプ初の休日に、筑後市の恋木神社を参拝。おみくじで大吉を引き当て「大谷翔平選手に会ってみたい」と願った。

◆22年3月16日 筑後でプロ入り後初のブルペン投球。中田賢一3軍投手コーチから「168キロを出すぞ」と指令を受けた。

◆22年4月3日 初のシート打撃に登板。最速は149キロを計測。打撃投手ながら、育成選手の舟越、早、桑原は打球が前に飛ぶことなく終わった。その後5月上旬に右肘の張りを訴えてリハビリ組に合流。

◆22年9月27日 右肘の張りから復帰し、4月以来5カ月ぶりに打撃投手を務めた。打者2人に直球のみを30球。

◆22年10月7日 3軍戦でプロ初実戦。1回1安打無失点、1奪三振で最速は150キロを計測した。若田部3軍投手コーチは「最高のスタート」と、デビュー登板を絶賛した。

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