背番号29をつけるロッテ西野勇士投手(31)が、熱い思いを継承する。18日、ZOZOマリンで練習。報道陣に問われ、口にした。

「やっぱり、偉大な先輩がつけていた番号であって、晋吾さんから受け継ぐ時にもそういう話をして受け継がせてもらったので」

11日にかつての大エース、村田兆治さんが急逝した。背番号29、マサカリ投法で活躍した。その後29番をつけた小野晋吾1軍投手コーチ(47)も、その重みを受け止め、息の長い投手になった。

西野は続ける。

「すごく寡黙に、ストイックというか。いろいろ見た情報ではそういう人だったと。僕も晋吾さんがそういう、寡黙で1人でトレーニングしているとか、1人でストイックにやっている部分を見てたので。そういうふうに自分も、後輩に野球にすごくストイックになっている部分とか、背中で見せていけたらいいなっていうふうに思いますね」

右肘のトミー・ジョン手術から復帰した今季は、リリーフとして37試合に登板した。村田さんは日本における、トミー・ジョン手術の先駆者ともいわれた。時代は変わり、今や受けることが決して珍しくない手術になった。

「自然には修復しない箇所が伸びたり切れたりしてる状態なので。小さいころからボールをたくさん投げてきて、何か異常は起きてる箇所だとは思うし。症状は出る人も出ない人もいますけど、肘の痛みで投げれない人にとってはかなりいい手術じゃないかなと」

リハビリの長い手術。西野も結局2シーズン、公式戦登板ができなかった。でも、笑顔で振り返る。

「手術して良かったとは、もちろん思います。これで1回しっかりきれいに肘の状態も良くなったので。再発する可能性はゼロではないですけど、前に比べたらはるかに少ないと思うので、安心というか、そういう意味でも手術して良かったです」

リリーフで1年間投げきり、来季は再び先発の座を目指す。20年春、手術前はホーム開幕戦での先発も内定していた。140キロ台半ばの直球に変化球も豊富で、適性は高い。

「自分の気持ちもあるし、今年吉井さんに会った時には『先発したら良いんじゃないか』とずっと言われていたので。来年先発したらもちろん2桁は確実に勝ちたいって思いますし。この年になって、それくらいやれないとその先が見えてこないと思うので。それくらいの強い気持ちを持って来シーズンは臨もうかなと思っています」

ロッテの29番はストイックに、息長く。プロ15年目の来季、西野の背中が熱を帯びる。【金子真仁】

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