ソフトバンクは12日、日本ハムから海外フリーエージェント(FA)権を行使した近藤健介外野手(29)を獲得したと発表した。7年総額約50億円の超大型契約で、オリックス、ロッテ、西武、日本ハムによる5球団の争奪戦を制した。

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もう、ずいぶん前のことだが、エンゼルス大谷も認める「打撃マニア」の近藤に、誰の打撃が参考になるかを聞いたことがあった。真っ先に挙げたのが、ソフトバンクの長谷川であり、中村晃だった。とにかく、打撃の話をするのが大好き。試合前には、各チームの主力と話し込む姿を頻繁に見かける。その中で、いかにも、玄人好みの選手をチョイスするあたりが、打撃職人の近藤らしかった。

人懐っこい笑顔で日本ハムファンに愛された「コンちゃん」は、いつも「さらに上」を見つめていた。パ5球団が示す誠意の間で、心は揺れた。今回のFA移籍に際して、はっきりと公言した条件は「優勝を狙えるチーム」という1点だったが、打者として、より自身が成長できると確信した環境を選んだのだろう。競争の激しいチームは、近藤の向上心をさらに刺激するはずだ。【日本ハム担当 中島宙恵】