今秋のプロ野球ドラフト会議の指名候補を「ニッカン・オリジナルカード」付きで紹介する新春企画の第2弾は大学生編。最速155キロ左腕の東洋大・細野晴希投手(3年=東亜学園)と強肩強打の上武大・進藤勇也捕手(3年=筑陽学園)、最速153キロの大商大・上田大河投手(3年=大商大高)に注目する。

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今年は進藤の年にする-。大学日本代表の正捕手も務める強肩強打の捕手は、上位候補にとの期待が大きい。「目指すからには上(1位)を目指したい」。1位指名が実現すれば、大卒捕手の1位指名は15年ぶり。「難しいですが狙いたい」と闘志を燃やす。

反骨心が原動力だ。「誰にも負けたくない。常に上を見てやってきました」。中学は控えの捕手。なぜ自分は試合に出られないのかを問い続けて「打てる捕手」を目指した。「外野の頭も越せなかった」という打撃も、トレーニングで力をつけつつバットを振った。

「中学で試合に出られなかったことが高校で伸びた要因です」。高校入学後は、当時の監督だった江口祐司前監督(60)の「考えてやれ」という言葉を胸に「1球」をテーマに掲げた。「打撃では1球ごとに振り方を変え感覚を探した。キャッチングにスローイングもどう投げたらどんな球がいくのか。めっちゃ考えて練習しました」。納得がいくまで練習を繰り返した。スローイングとフットワークを磨き、大学では1年秋から正捕手。セカンド送球は、コンスタントに1・8秒台をマークする。

達成したいタイトルがある。それは日本一だ。昨年は大学選手権では準優勝。昨夏主将に就任して迎えた明治神宮大会では、優勝候補に挙げられながら初戦で敗退した。「本気で狙っていたので悔しかった」。反骨心と闘争心に火がついた。今冬はトレーニングに柔軟性を取り入れ、守備、打撃と一から見直す。「確率を上げスローイングの質も上げています」。もう負けてはいられない。悲願の全国制覇。そしてドラフト1位へ。進藤は今年、勝負をかける。【保坂淑子】