<阪神6-3DeNA>◇12日◇甲子園

エースの意地だ! 阪神青柳晃洋投手(29)が投打の大車輪で42日ぶりの2勝目を挙げた。粘りの投球で8回途中3失点。打っては2回に逆転の2点打を放った。3月31日の開幕戦以降白星に見放されたが、阪神の投手では1996年(平8)の川尻哲郎以来27年ぶりの勝利投手&逆転V打で大貢献。チームはDeNAとの首位攻防第1ラウンドを制して1ゲーム差に迫り、13日も勝てば同率で3週間ぶりの首位に返り咲く。

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青柳は投球練習中に「声を出す」ことを大切にしている。キャンプでは「高さ、(コースの)ラインは間違えないように」など、誰よりも声を出していた。「いいボールは何が良かったのか、悪いボールは何でダメだったか、簡潔に口に出すことによって意識もできるし、理解もしやすくなる。自分のしゃべったことを覚えて、『いい』を増やしていけるように」という意識付けだ。

先発ローテに定着する前の18年ごろから取り組み始め、成長につなげてきた。今季は開幕白星から勝ち星が遠のいたが「声を出す」方法は継続し、フォームなどの修正も重ねながら復活星に結びつけた。今年1月に静岡・沼津市内で実施した合同自主トレでは村上、岡留らにも「声を出す」ことの重要性を伝えた。自身の成功体験をチームに落とし込み、底上げにも尽力している。【阪神担当=古財稜明】

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