百戦錬磨のベテランが、ルーキーの窮地を救った。日本ハム宮西尚生投手(37)が、オリックス戦(京セラドーム大阪)の8回2死二塁で5番手として登板し、見事な火消し。今季9ホールド目をマークした。

これで初登板から824試合連続リリーフ登板となり、99~20年の五十嵐亮太(ヤクルト、ソフトバンク)と並んでいた日本記録を塗り替えた。

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これが、百戦錬磨の救援だ。2点を返され5-3。4連勝への雲行きが怪しくなってきた8回2死二塁。宮西が、今季からバッテリーを組む捕手の伏見とともに、マウンドへスクランブル発進した。オリックスの代打セデーニョとは初対戦。暴投で三塁に走者を進めたが、慌てない。フルカウントからの6球目。137キロの内角直球で詰まらせ遊ゴロに打ち取ると、胸を張った。

直前に投げていた宮内はルーキー。先頭打者にストレートの四球を与え、2本の長打を許すなどして2失点。昨季覇者の猛追に遭っていた。「こういう場面は、たくさんやってきた。今日はルーキーが作ったピンチだったし、なんとか絶対に抑えてやろうっていう気分だった。本当に、しっかりカバーしてあげることが出来て良かった」。出番は、たったの6球。その一瞬に後輩を気遣うベテランの魂を込めた。

「野球をするのは好きだけど、見るのはそんなに好きじゃない」という左腕だが、40歳間近となり後輩たちを見る目が変わった。「若いヤツの投球とか、見るのがだんだん楽しくなってきている。宮内なんて、昔の若いころの自分みたい」。5月中旬の熊本遠征では、今季からブルペンメンバーに仲間入りした宮内と田中正のプロ初勝利を祝って、ささやかな食事会を行った。30歳を超えコンディション維持に苦労するソフトバンク嘉弥真には“散歩のススメ”を伝授。球団の垣根を越え助言を惜しまない。

関西学院大では先発完投型のエースとして活躍。プロ入り当初は先発への未練もあった。勝ちパターンで投げるようになって、いつしか、そんな思いはなくなった。初登板から824試合連続リリーフは、プロ野球史で単独歴代1位。「自分に合ったポジション。ここまで投げられたことに感謝だし、丈夫な体に産んでもらった親に感謝」。地元関西で、また1つ、歴史を刻んだ。

▽日本ハム北山(5回1失点で今季2勝目も4四球) 納得出来る内容ではなかった。カーブで三振も取れたが、もっと狙ったところに投げきれるよう精度を上げていきたい。

▽日本ハム万波(チームトップの6号ソロ) 打ったのはカットボール。2アウトから1点取れたので良かったです。

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