高卒3年目のオリックス山下舜平大投手(20)が、球団初の記録を作った。6回4安打1失点(自責0)の好投で無傷の5勝目。開幕からすべて先発で5連勝を挙げたのは、球団史上初の快挙となった。

「あそこを1失点で抑えたのは、結構自分の中でも大きかった」。4回、味方の失策で先頭打者が出塁。抑えたい思いからか引っかける球も続き、1死三塁から坂倉に先制適時打を許した。でも、崩れなかった。「開き直ったというか、こういう日もあるんだろうと思った。1年間、いい時はほとんどないと思う。こういう時にどうやって勝つか」。直後にマウンドに集まると、仲間からも「切り替えろ」の声をかけられた。5回は再び3者凡退。再び1球1球に力を込めると、直後に味方が一挙4得点。99球の力投で逆転勝ちを呼び込んだ。

最多の3失点を喫した5月14日ソフトバンク戦では、フォークの精度に苦慮した。次戦までの中8日の期間では、平井投手コーチとデータを見ながら、握りの微調整など試行錯誤した。「かなり時間を使って、練習してきました」。この日奪った6三振は直球、カーブ、フォークでそれぞれ2つずつ。結果を残しながらも、日々新たな課題と向き合っている。

「ピンチの時にバランスを崩すのは、これからなくしていかないといけない課題」。口から出る「課題」は伸びしろの証し。これで防御率は0・84、チームトップの5勝目。高卒3年目の大器の進化はまだまだここからだ。【磯綾乃】

▼山下がデビューから無傷の5連勝。オリックスでデビュー5連勝は07~08年小松以来になる。デビューからの連勝記録には66年堀内(巨人)の13連勝があるが、山下はプロ初登板の3月31日西武戦から7試合すべて先発。プロ初登板から全試合先発登板で無傷の5連勝は、15年高木勇(巨人)に次いで史上2人目。高木勇は5連勝で止まったが、山下はどうか。