4点差を逆転され、ベンチで勝利を待った西武平良海馬投手(23)の表情が固まった。

逆転のきっかけを作ってしまった2番手佐藤隼輔投手(23)がうつむく。

痛い1敗になった。それでも帰りのバスへ向かう平良は、しっかりと切り替えていた。言葉がよどみなく、スッと出た。

「僕も中継ぎでたくさん逆転されている場面があったので、あまり気にせずに」

昨季までリリーフで203試合に登板してきた。防御率1点台の絶対的リリーバーだったが、苦しさは存分に知っている。

「(打たれた後も)気にしないで、って先発から言われるんで、それがあるだけでやっぱ、楽になりますね。これからバスに乗るんで(佐藤隼にも)そこで言おうかなと」

7回96球で無失点。8回表に得点圏で打席が回り、代打が出された。「三振は少なかったですけど、その分打たせて球数が少なくて、余力ある状態で良かったかなと思います」という平良は「それ(打順の巡り合わせ)がなければ次の回も行きたかったなというのはありました」と正直に明かした。

どんどん振ってくるDeNA打線を抑えたことは、今後への自信になる。

「早いカウントでまっすぐ絞られないように、変化球うまく散らせて投げたのが良かったと思います。毎回振ってくるので、毎回勝負球のような感じで投げていました」

衝撃的に敗れた試合ながら、試行錯誤を繰り返す平良が先発8登板目で初めて無失点投球をしたのは、今後への光だ。【金子真仁】

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